昭和の伝説的刑事ドラマ「太陽にほえろ!」でしぶいベテラン刑事”山さん”役を演じていた俳優の露口茂さんが2025年4月に享年93歳で亡くなりました。
露口茂さんは、「太陽にほえろ!」があまりの人気番組になり、劇中の刑事”山さん”がハマり役になったので、一時期はこの役に専念し他の役どころがあまり知られていないようですが、実は”山さん”の他にも意外な出演をしていました。
今回はそんな露口茂さんのちょっと意外な出演履歴を振り返ってみたいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
露口茂はもともと声優だった?
ここで露口茂さんのプロフィールを見てみましょう。
- 名前 露口茂(つゆぐちしげる)
- 生年月日:1932年4月8日
- 出身:東京都
- 身長:175センチ
- 血液型:B型
- 学歴:愛媛大学中退
愛媛大学では英語・英文学を専攻し、通いながらNHK松山放送劇団に所属し、当時のラジオドラマに出演していました。

ほとんどNHKのラジオドラマ番組でした。
その後、大学の先輩に誘われて2年で大学を中退。劇団俳優座の養成所に入ります。
同期には、井川比佐志、田中邦衛、藤岡重慶、山本學といった俳優がいました。
個性派俳優として活躍


俳優座の養成所に入った露口茂さんは、その後演技派俳優として、映画、テレビドラマへと活躍の場を広げ、NHKをはじめ民放ドラマに数多く出演しました。
太陽にほえろ!山さん役でブレーク


しかしそんな俳優活動の中で、露口茂さんの顔、名前をもっとも有名にしたのは、1972年にスタートし、1986年まで15年間続いた「太陽にほえろ!」のベテラン刑事山さんこと山村精一刑事の役でしょう。
「太陽にほえろ!」とは
日本テレビ系列で1972年から始まった刑事ドラマ「太陽にほえろ!」は、石原裕次郎さん演じるボスを中心に警視庁七曲(ななまがり)署捜査1係の個性あふれる刑事たちの活躍を描く刑事ドラマで、それまでの刑事ドラマにはなかったアクション要素を取り入れ、また人気刑事が劇中で殉職してしまうというスタイルを確立し、1986年に終了するまで時代劇の水戸黄門にも並ぶほどの昭和の人気国民的ドラマと言われました。
山さんは最多登場回数および最多連続登場
露口茂さん演じる山さんこと山村精一刑事も1986年の栄転目前に殉職してしまいますが、「太陽にほえろ!」内で山さんは最多登場回数および最多連続登場を誇りました。
声優としても活躍
国民的刑事ドラマ「太陽にほえろ!」の山さん役があまりに有名になってしまった露口茂さんですが、その一方、声優として海外ドラマやアニメの吹き替えにも数多く主演しています。
シャーロック・ホームズの冒険


「シャーロック・ホームズの冒険」はNHKにて1984年から1994年まで、全41話が放送されましたが、露口茂さんは主演のジェレミー・ブレッド演じるシャーロック・ホームズの吹き替えを演じ、最大の当たり役となりました。
耳をすませば


声優として露口茂さんは1989年公開のスタジオジブリ作品「耳をすませば」のフンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵(バロン)役を演じました。
この役を受けるのに際し、宮崎駿監督からは「露口さんの声しかありえない。」と熱望されたようで、露口さん自身もインタビューに答えて
「宮崎さんから依頼されたんですが、何しろアニメで、しかもネコの声をやるだけなんて初めてですし、こういうのはむしろ専門の方がいらっしゃるでしょうと、まずはお断りしたんですよ、宮崎さんと話しているうちにその魅力に引かれ、やはりこの宮崎さんとの貴重な出会いを大切にしたいなと思い、引き受けることにしました。」「なかなか自分で納得がいかないものですから、何度も自分からお願いして取り直させてもらったんです。何しろ猫である上に、全体のドラマの中でも核というか重要な役ですからね。台詞はほんの何行かですけどすごく重い、しかし重さを感じさせてはいけない。最後にようやく、まあこれならいいかと思える出来になりました。」と語っています。



この役が声優としての最後の出演になりました。
まとめ
露口茂さんは、自分の世代にとってはやはり何といっても「太陽にほえろ!」の刑事山さんとしてのイメージが強烈ですが、その長いキャリアの中でじつにさまざまな仕事を演じている方でした。
「太陽にほえろ!」に限って言えば、ボスだった石原裕次郎さんはもちろん萩原健一さん(マカロニ)、松田優作さん(ジーパン)、下川辰平さん(長さん)、渡辺徹さん(ラガー)がすでに亡く、とうとう山さんが逝ってしまったかという思いです。
子供だった昭和時代に夢中でみていたころを懐かしむとともに露口茂さんのご冥福をお祈りしたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。