現在、好評放映中のNHK朝ドラ「虎に翼」。
中でも主人公の猪爪寅子たち日本初の女性法科生たちを、あたたかく見守るような存在感が印象的なのが、小林薫さん演じる穂高教授です。
ところでこの穂高教授には実在のモデルが存在していると言われているようです。
そこで今回は穂高教授のモデルがいったいどういう人物なのか調べてみましたのでぜひ最後までご覧ください。
穂高教授のモデルは穂積重遠(ほづみしげとお)博士
穂積重遠(ほづみしげとお)博士は、民法専門の法学者で、東京帝国大学法学部教授でのちに法学部長、最高裁判所判事にもにもなった人物で、”日本家族法の父”とも言われました。
穂積重遠(ほづみしげとお)博士の祖父は渋沢栄一
祖父の渋沢栄一の影響から、幼いころから中国の哲学書である論語に親しみ、一高(現東京大学教養学部)を経て東京帝国大学法学部へ入学します。
1908年に東京帝国大学を卒業と同時に、東京帝大講師にそして1910年には助教授になります。
1912年よりドイツ、フランス、イギリス、アメリカへ留学し、1916年に帰国後は教授に、1917年には法学博士になりました。
そして1944年には貴族院議員となり、1945年8月の終戦時には東宮侍従長も務めました。
しかし1949年最高裁判所判事に就任後、1951年7月29日に病気のため68歳で亡くなっています。
穂積重遠(ほづみしげとお)博士の業績
穂積重遠(ほづみしげとお)博士は法学会の王道を歩んだ華々しい経歴の方ですが、”家庭法の父”といわれるほど一方で庶民的な一面のある人物でした。
水泳や登山、柔道が趣味で、オペラ歌手に夢中になったり、和歌や川柳などいろいろな趣味を持っていました。
民法の研究、制定が専門でしたが、離婚制度の研究、児童虐待防止法の制定といったまさに現代の社会問題に通じる法律が研究対象で、そんな中でも最も力を入れていたのが女性解放運動の支援で、弁護士法の改正で性別の区別をなくすなど女性の地位向上に尽力しました。
そして、わが国には婦人法律家がいないこと遺憾に思うということから設立したのが明治大学専門部女子部でした。
そんな一連の活動のためか、学会からは女好きが高じたためだと揶揄されたりしたようです。
穂積重遠(ほづみしげとお)博士と三淵嘉子との接点は
朝ドラ「虎に翼」では主人公の猪爪寅子の恩師が穂高教授という設定ですが、モデルの三淵嘉子さんと穂積重遠(ほづみしげとお)博士とは年齢が違い過ぎることから、実際には師弟関係ではなかったようです。
まとめ
現在放送中の朝ドラ「虎に翼」は、日本初の女性弁護士をヒロインにするという少しお堅い設定にもかかわらず、主役の伊藤彩里さんの好演も光り、高視聴率なようです。
ジェンダーフリーが言われる昨今ならともかく大正・昭和の時代にこのような先進的な法学者が実際にいたのには驚かざるを得ません。
穂高教授の見守る中、猪爪寅子たちがどのように法律家として成長していくのか今後の展開が大変楽しみなドラマですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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